未知の道

意訳すると『この入り口は宇宙につながっている』

ケープコッドにはこのように書かれた看板も多いとか。

ドラえもんの四次元ポケットみたいで面白いですね。

速攻、試してみたくなります。

でもそれは、大人になった今だからできること。

幼少の頃は違いました。

通学路の途中に細いＹ字路があって、

どうしてもその先に行けなかったんです。

子供の目にも人がギリギリ通れるような小道でした。

曲がりくねって先が見えないことが恐怖心を煽り、

この道を進んだら絶対帰ってこれないと妄信するように！

まるで異次元へのpotal（門）のように思えていたんです。

おばあちゃんの家の井戸も一度も覗けなかった私。

街にはたくさんの宇宙への入り口があると

思っていたなんて、今では笑い話ですけれどね。

私が住んでいる街では、区画整理が進んでいます。

パズルをはめ込んだように立ち並ぶ、きれいで新しい家々は

まるでミニチュアのおもちゃのようです。

そして、遠くまで見渡せるまっすぐな道。

方向音痴の私でさえ数を間違わなければ、迷うこともない

住みやすい街に変わってきています。

ただ、形而上的な面白さがちょっとないような……？

宇宙への入り口が見つからないからでしょうか。

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