王様と兵隊_02

 「この世界のどこかにあると言われている

“エイーゴの書”を探すのじゃ！」 

三日三晩悩んだ王様は、かつて先代の王様から聞いた
“エイーゴの書”のことを思い出しました。

しかし現王様は“エイーゴの書”の所在はもちろん、
どんなものかすらわかりません。
現実主義でちょっぴり保守的な考えの王様は、
そんなあやふやな命令を下すことに
とても抵抗がありました。

ところが、単純な兵隊は
「在るか無いかわからないお宝を探す。
そういうざっくりした命令が勇者っぽくていいですね!」
と意気込んで旅立っていきました。

＊　＊　＊

それら3年。勇者を目指した兵隊は
とても優秀な経営者になっていました。

気合と根性で“エイーゴの書”を見つけた兵隊は
王様にもらった報酬と、様々な国で得た知識を活用し
他国との交流を始めたのです。

その際“エイーゴの書”はとても役に立ちました。
そうです。“エイーゴの書”とは
 他国との共存方法がかかれていたものでした。

また他国と仲良くなったことで、
この国が外から攻撃される心配がなくなり、
元々平和だった国が、さらに平和な国となりました。


「実は単純な者が、一番強いのかもしれんのぅ…」
有能だけど現実主義でちょっぴり保守的な王様は、
少し複雑な気分で元兵隊を称えました。

おわり


教訓：人生どう転ぶかわからない。
今の世の中やったもの勝ち。

考えすぎて前に進めないんだったら
とにかく進んで失敗した方が後悔しなくていい。
もちろんなるべく失敗はしたくないですけどね。笑
びび太

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